AWSエンジニアとして活躍するために必要な知識・スキルを習得するなら資格の取得がおすすめです。
特にAWSに特化した知識・スキルを得られるAWS認定資格はレベル・専門分野別に幅広い資格があります。
また、認定資格以外にもAWSエンジニアとして活用できる国家資格も見逃せません。
取得するなら転職やキャリアプランにあわせた資格を検討してみてください。
AWSエンジニアに役立つ資格を解説
Contents
AWSエンジニアとして活躍し続けるためには「広く」「深い」スキルが求められます。
AWSでは様々な認定資格が用意されており、それぞれの資格には、AWSのサービスや機能に関する知識と経験が求められます。
AWS認定資格を取得することで、自分のスキルを認定し、キャリアアップや新しいプロジェクトの参加などの機会を得ることができます。
AWSに関する知識・スキルを体系的に学ぶならAWSエンジニアのキャリアアップにおすすめの資格取得も選択肢の1つです。
AWS認定資格の特徴
AWS認定資格は特にAWSに関する専門的な知識・スキルを持っていると認められる資格です。
AWSとはAmazonがリリースするクラウドサービスのこと。
AWS認定資格はレベル・専門知識ごとに11種類の資格があり、それぞれ関連性の高いAWSの設計・開発・運用に役立ちます。
AWSエンジニアとして必要な知識を全体的に学べるので効率的なスキルアップにつながるのが特徴です。
AWS認定資格にはどんなものがあるの?
AWS認定資格はレベル別で3段階に分類する方法と専門分野別で5分野に分ける方法があります。
レベルは3種類ある
AWS認定資格をレベル別に分類すると3種類に分けることができます。
- AWSクラウドプラクティショナー(基礎入門)
- AWSアソシエイト
- AWSプロフェッショナル
基礎コースであるクラウドプラクティショナーは専門分野に分かれる前の教養レベルにあたる内容が中心です。
- クラウドの概念
- セキュリティ
- テクノロジー
- 料金・費用 など
AWSに関する基礎知識が問われる入門レベルの資格で得点率70%程度の難易度です。
出題範囲が幅広い点だけ注意が必要ですが、業務未経験者でも市販のテキストでしっかり勉強すれば合格は難しくありません。
AWSエンジニアへのキャリアチェンジを考えるのであれば最初の1歩として最適な資格です。
5種類の専門分野がある
AWS認定資格を専門分野別に分類すると次の5種類に分けられます。
- Security(セキュリティ)
- Big Data(ビッグデータ)
- Advanced Networking(高度なネットワーキング)
- Alexa Skill Builder(Alexaスキルビルダー)
- Machine Learning(機械学習)
クラウドプラクティショナーである程度全体的なスキルを習得した後、各専門分野に特化していく際におすすめの資格です。
専門分野の中でも難易度には幅があるため、すべて受験する予定なら取得する順番も要検討しましょう。
AWS認定資格の取得メリット
AWS認定資格を取得するメリットは業界で需要がある知識やスキルを体系的に得られる点が大きいです。
AWSに代表されるクラウドコンピューティングシステムは利用者を限定せず幅広いサービスが受けられます。
そのため、多くの人が利用しているシステムです。
クラウドコンピューティングシステムには様々なものがありますが、特にAWSは世界的なシェア3割を占めています。
つまりクラウドコンピューティングシステムを利用しようと思った場合、AWSを利用する可能性はかなり高いのです。
AWS認定資格取得によってスキルを獲得することで、長く業界で活躍できるエンジニアに近づけます。
アソシエイトレベルの概要と難易度
AWS認定資格の中でアソシエイトは中級レベル相当です。
1年程度AWSエンジニアとして実績を積めば十分合格可能なレベルに到達できます。
業務未経験者であっても主要サービスやクラウドに関する知識をしっかり獲得できば、合格圏内に到達できるでしょう。
その1:ソリューションアーキテクト-アソシエイト
ソリューションアーキテクトアソシエイトはインフラエンジニアの知識とスキルがある人におすすめのAWS認定資格です。
資格の位置づけとしてはAWSクラウドプラクショナーの次のステップアップに該当します。
出題範囲は設計スキルが中心ですが、AWS認定資格の中でも特に幅広く出題されるのが特徴です。
専門スキルを獲得する前の段階のステップとして最適ということもあり、AWS認定資格の中で最も人気がある資格といえるでしょう。
<難易度>
ソリューションアーキテクトアソシエイトの合格ラインは得点率72%程度と考えられます。
AWSでクラウド環境の設計構築や運用ができれば十分合格圏内です。
また、実務経験がなくても知識・スキルが身についていれば合格できる可能性があります。
その2:SysOpsアドミニストレーター
SysOpsアドミニストレーターはアソシエイトレベルに該当する資格の1つで運用・管理の知識やスキルが問われます。
導入スタートしたAWSを問題なく運用し続けるために下記分野の知識・スキルが求められる資格です。
- セキュリティ
- モニタリング
- ネットワーキングシステム
- データ管理
- 自動運転システム など
特にセキュリティ・ネットワーク分野のスキルを活かしてキャリアアップを目指す人であれば取得する価値があるでしょう。
<難易度>
得点率72%程度が合格ラインとなる中級資格です。
実践的なスキルの習得を意識して勉強すれば未経験でも合格可能と考えられます。
また、SysOpsアドミニストレーターはソリューションアーキテクトアソシエイトの試験範囲と重なるところも多い資格です。
ソリューションアーキテクトアソシエイトの勉強で大まかな全体像をつかんでから取り掛かると効率的なスキル習得につながります。
その3:デベロッパー
デベロッパーは中級レベルに位置しているアソシエイトレベルの資格の中で、特に開発スキルを習得したい方におすすめです。
デベロッパーの資格で特に求められる知識は下記分野がメインになります。
- セキュリティ
- モニタリング
- リファクタリング など
特に拡張のしやすさと長く運用を続けられるシステムにできるかが問われる資格です。
<難易度>
合格ラインの得点率は他のアソシエイトレベルの資格と同様に72%程度と考えられます。
また、デベロッパーはソリューションアーキテクトアソシエイトと比べると出題範囲が狭い資格です。
特定分野に絞って勉強できるので他のアソシエイトレベルの資格より勉強しやすいともいえます。
資格によってはAWSエンジニア未経験でも合格可能性は十分あります。
プロフェッショナルレベルの概要と難易度
プロフェッショナルレベルはAWS認定資格の中でも難易度が高い資格です。
設計分野のスキルが問われるソリューションアーキテクト-プロフェッショナルとDevOpsエンジニアの2種類があります。
その1:ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル
ソリューションアーキテクトプロフェッショナルはAWS認定資格の中で最高難易度といわれている資格です。
- 利用規模にあわせたポテンシャルがあるシステムにできるか
- 専門的な知識で永続性のあるシステムに設計できているか
- セキュリティ面で信頼性のあるシステムにできているか など
専門的なシステムの設計スキルが問われます。
<難易度>
ソリューションアーキテクトプロフェッショナルがAWS認定資格の中で最高難易度とされる理由は3つあります。
- 合格ラインの得点率が75%程度でAWS認定資格の中で最も高い
- 受験資格を得るには2年以上の実務経験が必要
- 出題範囲がAWS認定資格の中でも特に幅広い
AWSのシステム管理・運用の実践的な経験を現場で積まないと、そもそもの受験資格を得られない難易度の高い資格です。
その2:DevOpsエンジニア
AWS認定資格の中で開発と運用・管理に特化した上級者向けの資格です。
- 永続性のあるシステムの開発
- トラブルを自動的に回収・修復できる運用システム など
AWSの専門的な知識にもとづいて行えるかが問われます。
システムを開発し実際に運用開始した後に必要な専門スキルを得られる資格です。
<難易度>
合格ラインの得点率はソリューションアーキテクトプロフェッショナルと同様に75%程度です。
また、受験資格に2年以上の実務経験が必要になる点も共通しています。
複数言語でシステム開発をした実績やインフラの自動化といった実務経験が取得に役立つでしょう。
AWS認定・専門知識の概要
専門知識が問われるAWS認定資格の合格に必要な得点率はすべて75%程度となっています。
レベル別の資格に比べると出題範囲は絞られますが、その分深い知識を求められる資格です。
その1:セキュリティ(Security)
AWSの中でもセキュリティに特化した専門知識が問われます。
セキュリティと関連性の高い下記AWSについては押さえておく必要があるでしょう。
- AWS IAM
- Amazon Guard Duty
- AWS Shield
特にシステムの規模やインフラ環境に合わせてどのAWSをどのように開発・実装・運用していくのか、を適切に判断できるスキルが必要です。
その2:ビッグデータ(BigData)
ビッグデータはAWSを使用し膨大なデータを分析できるシステムを開発するスキルと知識が問われる資格です。
ビッグデータのシステム開発には2つのアプローチができる知識とスキルが求められます。
1つはビッグデータ分野の知識・スキル、もう1つはシステム設計に関する知識・スキルです。
関連性の高いAWSとしてAmazon EMR、Amazon Redshiftが挙げられます。
専門知識に特化したAWS資格の中でも難易度は高めです。
その3:高度なネットワーキング(Advanced Networking)
ネットワーク分野のAWS認定資格取得の際に問われる知識・スキルとして下記が挙げられます。
- AWSを使ったネットワークシステムの設計・構築・実装
- AWS以外のアプリケーションとAWSで構築したネットワークの関連付け
- セキュリティシステムの設計・構築・実装 など
かなり複雑なネットワーク構築スキルが求められる資格です。
関連性の高いAWSにはAWS Direct Connect、AWS VPNがあります。
その4:Alexaスキルビルダー(Alexa Skill Builder)
AlexaスキルビルダーはAmazonのスマートスピーカーであるAlexaに特化したAWS認定資格です。
Alexaのスムーズな運用にかかわるシステムを構築できるかが問われます。
関連するAWSはAWS Lambda、AWS S3、AWS Dynamo Dbなどです。
難易度は専門知識分野の資格の中では比較的簡単な資格といえるでしょう。
クラウドプラクティショナーレベルの基礎知識とAlexaのシステム開発スキルがあれば十分合格可能と考えられます。
その5:機械学習(Machine Learning)
AWSを活用した機械学習のシステムに関する知識・スキルが問われる資格です。
特にビジネスソリューションを目的とした設計・開発・実装・運用・管理の専門知識が問われます。
関連性の高いAWSであるAmazon Sage Makerシリーズなど、機械学習・ディープラーニングの実務経験があると有利です。
ただし、機械学習の分野自体はまだまだ発展途上のテクノロジーでもあります。
極端な言い方ですが、明日これまでの常識を覆すような技術が登場しても不思議ではありません。
今後技術の発展に伴い、出題される内容の大幅な変更もありえる資格です。
あれば尚可な活躍するための資格
AWSエンジニアとして活躍するならAWS認定資格以外にもおすすめの資格があります。
その1:ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験はネットワークに特化した知識・スキルが問われます。
IT系資格の中で数少ない国家資格のうち、特に歴史が古い資格の1つです。
クラウドエンジニアとして現場で活躍している人の中にも取得している人が少なくありません。
AWSに限らずインフラエンジニアに必要な知識を幅広く、しかも体系的に学べるポピュラーな資格といえるでしょう。
その2:情報処理安全確保支援士
情報処理安全確保支援士はセキュリティにかかわる知識・スキルに特化したIT系国家資格です。
特に最近は国内外からの不正アクセスが問題となっています。
そのため民間・公的機関を問わず情報資産を守れるスキルを持ったエンジニアの需要が高まっているのです。
また、セキュリティに関しては都度情報刷新が求められる分野なので取得した後も都度研修・講習に参加が求められます。
その3:Oracle認定資格
データベースに関するスキルとしてポピュラーなOracleに関する資格です。
AWSの中にはデータベース活用に特化したAmazonRDSもあり、主要サービスとして高い需要を誇っています。
関連性の高いOracle認定資格もAWSエンジニアへの転職・実務で役立つ資格といえるでしょう。
Oracle認定資格には「Gold」「Platinum」など難易度別の段階があります。
AWSエンジニアを主軸にした働き方であればGoldであれば履歴書で十分アピールできるレベルです。
その4:PMP
PMP(Project Management Professional)はマネジメントスキルが問われるIT系国際資格です。
エンジニアはジャンルを問わないキャリアアップの選択肢としてマネジメント職に進む道があります。
例えば、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどに進む方は珍しくありません。
管理職を目指すならマネジメントスキルの資格はキャリアアップの道を進みやすくしてくれる強い武器になるでしょう。
転職相談は転職エージェントを活用しよう
資格を活かして転職を考えているなら転職エージェントを活用してみてください。
資格はあくまでもキャリアップをスムーズにしてくれるかもしれないツールの1つにすぎません。
どのような資格を取ってどのような企業に転職しどのようにキャリアアップしていくかはキャリアプラン次第です。
転職エージェントは現状のスキルとキャリアプランにあわせた転職先を提案できます。
転職とあわせて資格取得を考えるならおすすめの相談相手といえるでしょう。
まとめ
AWSエンジニアへのキャリアチェンジ・転職を考えているなら資格取得を検討してみてください。
AWSエンジニアはAWSとシステム開発に関する専門的な知識・スキルが求められる職種です。
資格はAWSエンジニアとして十分活躍できる人材であることを一目で証明できるメリットがあります。
実務で役立つ知識・スキルを学べるので特に未経験から挑戦する場合はぜひ、検討してみてください。