移動体通信エンジニアという仕事をご存知でしょうか。
そもそも移動体通信とは、スマートフォンや携帯電話などを利用した通信サービスのことです。
すなわち移動体通信エンジニアとは、スマートフォンなど移動体通信に関する仕事をするエンジニアです。
この記事では、移動体通信エンジニアの仕事内容や求められるスキルについて解説します。
転職を考えている人や移動体通信エンジニアに興味がある人はぜひお読みください。
移動体通信エンジニアの仕事内容を解説
Contents
移動体通信エンジニアの仕事内容を解説します。
転職を検討する際には、まずは仕事内容について把握することが大切です。
設計
最初に紹介するのは、エンジニアに欠かせない仕事のひとつである設計です。
設計とはシステムやソフトウェアの仕様を構成することをいいます。計画書を作るようなイメージです。
移動体通信エンジニアが設計する分野として、通信拠点である基地局が挙げられます。
どこにいても快適な通信ができる状態にすることが、移動体通信エンジニアに欠かせない仕事です。
電波拠点である基地局周辺の調査結果をもとに、基地局や装置の設計をおこないます。
交渉
移動体通信エンジニアの仕事はPCによるデスクワークだけでありません。
人との交渉が必要とされる場面も多く存在します。
基地局を設置するにあたって、その土地のオーナーや管理者に許諾を受ける必要があれば交渉します。
移動体通信に関わる情報はエンジニアがもっとも有しているため、直接交渉するのが効率的なのです。
設置許可が出たあとも、契約書の作成や近隣住民への説明など交渉が必要な場面は多くあります。
施工管理
基地局の設置許可が出て開発が進み始めたあと、基地局設置の施工管理をおこなうのもエンジニアの役目です。
移動体通信エンジニアにおける施工管理は、基地局の設置現場の管理となります。
作業が円滑に進むよう連携をとりながら情報共有や調整をするほか、作業工程の管理もします。
予定通りに作業が進んでいるかというスケジュールの確認も施工管理の仕事です。
基地局の設置が円滑に問題なく進むよう管理・調整することが、移動体通信エンジニアに求められます。
保守管理
基地局の設置が完了したあとも、移動体通信エンジニアの仕事は終わりではありません。
基地局が問題なく稼働しているかを点検・管理する保守管理をおこないます。
定期的なメンテナンスや必要に応じた調整作業などが求められる業務です。
万が一トラブルが発生し通信に影響が出た場合の対応も、移動体通信エンジニアに求められます。
基地局が問題なく稼働している状態を保つことが、保守管理の大きな仕事です。
セル設計
セル設計とは基地局を最適化するための設計をおこなうことです。
ひとつのAP(アクセスポイント)で電波が届く範囲のことをセルといいます。
セル設計は、常に安定した送受信をおこなうために必要な作業です。
通信品質とスピードの両方を保つためには、セル設計が必要不可欠とされます。
近年はスマートフォンの普及やさまざまな通信サービスの登場により、複雑な作業が求められている状態です。
移動体通信エンジニアの大きな役割のひとつといえます。
書類作成
基地局設置の契約や設計の作成など、多くの業務において書類が必須です。
このような書類作成も、移動体通信エンジニアがおこないます。
基地局に設置する基地の図面や土地のオーナーに提出する契約書・社内で情報共有するための書類などを作成します。
関連会社に送る書類や公的機関に提出する書類などの作成も移動体通信エンジニアの場合が多いです。
ただし作成する書類の範囲は会社や現場によって異なるので、指示やルールに従いましょう。
移動体通信エンジニアの役割
移動体通信エンジニアの役割は、スマートフォンなどによる通信を快適にできる状態を保つことです。
たとえ通信スピードが速く容量も大きいサービスだとしても、安定した状態でなければ意味がありません。
どんな状況下においても、常に一定品質の通信サービスを利用できる状態にする必要があります。
そのための作業をおこなうのが、移動体通信エンジニアです。
スマートフォンなどが生活必需品と化している今、移動体通信エンジニアの存在は欠かせないものとなっています。
移動体通信エンジニアを求めている職場
移動体通信エンジニアの主な職場は以下のとおりです。
- 携帯電話やスマートフォンを提供する通信キャリア
- ネットワーク関連サービスを提供する会社
- 通信事業のサポート会社
移動体通信を使用する携帯電話やスマートフォンのキャリアでは、自社サービスを提供するため基地局を設置します。
この基地局を設計・管理するために移動体通信エンジニアが必要です。
また、ネットワーク関連サービスや通信事業のサポートをする会社においても、移動体通信エンジニアは需要があります。
移動体通信エンジニアは、幅広い企業というより特定の業界で必要とされている、専門職の位置づけにある仕事です。
移動体通信エンジニアのやりがい
移動体通信エンジニアのやりがいとして以下のようなものが挙げられます。
- 生活インフラを支えることができる
- 努力次第で高年収が狙える
- 専門知識を高めやすい
移動体通信のサービスを利用するスマートフォンは、生活において欠かせない存在です。
すなわち移動体通信は生活インフラであり、移動体通信エンジニアはそんな生活インフラを支える仕事といえます。
多くの人の生活を支えているとイメージできると、やりがいを感じられるでしょう。
スキルを磨き実績が評価されれば、高年収を狙うこともできます。
設計や管理などの技術そのものだけでなく、交渉などのコミュニケーション能力も評価対象です。
また、移動体通信エンジニアはいわゆる専門職としての性格が強く出ています。
特定の分野に触れる時間が非常に長く自然と専門知識が身につき、成長を実感しやすいです。
移動体通信の将来性とキャリアパス
移動体通信エンジニアの将来性とキャリアパスを解説します。
転職活動をする際には、その業界や職種の将来についてもイメージできると良いでしょう。
将来性
移動体通信エンジニアは将来性がある仕事だといえます。
現代はIT社会であるうえ、一カ所に留まらずさまざまな場所で通信機器を使用することが多いです。
この状態が近い将来に失われることは考え辛く、むしろ通信サービスの需要はより高まり続けると考えられます。
加えて通信サービスは日々進化を続けており、LTEや5Gなど新たなものがどんどん登場しています。
新しい通信サービスを提供するためには、設計や管理をする移動体通信エンジニアが必要不可欠です。
移動体通信エンジニアの仕事がなくなる可能性は考えにくいでしょう。
通信サービスが必要ない状態にならない限り、移動体通信エンジニアは求められ続けます。
キャリアパス
移動体通信エンジニアのキャリアパスとしては、特化型の移動体通信エンジニアになることが挙げられます。
以下のようなものが代表例です。
- プロジェクト全体を取りまとめるマネジメント
- より専門性を高め難しい案件に携わるスペシャリスト
- 後輩や部下・現場の技術者などと関わる管理職
マネジメント・専門性の高い技術的業務・管理、どれも移動体通信エンジニアに求めらますが、適正が異なります。
自分に合った分野を磨き、特化型の移動体通信エンジニアになるのもひとつの手です。
また、エンジニアとしての経験はIT業界の別職種でも大いに役立ちます。
関連性のある別業界への転職もキャリアプランのひとつです。
移動体通信エンジニアに向いている人
移動体通信エンジニアに向いている人の特徴を紹介します。
適性があれば、仕事がスムーズに進められる可能性が高いです。
ものづくりが好き
ものづくりが好きな人は、移動体通信エンジニアに向いています。
基地局の設計作りはまさにものづくりに近いものがあり、一からつくっていく楽しさを感じられるでしょう。
理想的な形に仕上げるための試行錯誤も、ものづくりで感じられるものと似ています。
ものづくりが好きな人は、移動体通信エンジニアの仕事にも楽しさを見出せる場面が多いはずです。
学ぶ姿勢がある
移動体通信エンジニアは専門知識や最新情報を求められる仕事なため、勉強が欠かせません。
そのため学ぶ姿勢がある人に向いています。
勉強することを苦としない人や学びから得られる成長に喜びを感じる人には適した仕事でしょう。
難易度は高めですが、その分やりがいを感じられます。
学ぶ姿勢がある人・学ぶことが好きな人に適した仕事です。
折衝力がある
折衝力がある人も移動体通信エンジニアに向いています。
基地局設置のためには交渉が必要とお話しましたが、そのときに活かさせるのが折衝力です。
そもそも折衝力とは利害関係が一致していない相手と駆け引きをし、折り合いをつけることをいいます。
交渉の場が多い移動体通信エンジニアに欠かせない能力です。
駆け引きや折り合いをつけることが得意な人に向いています。
移動体通信エンジニアは未経験でも目指せる?
転職した人の中にはエンジニアとしての経験がなかった人、そもそも技術職に就いていなかった人も多くいます。
未経験であっても十分に目指すことが可能です。
ただし、繰り返しになりますが移動体通信エンジニアは専門知識が求められます。
そのため勉強や努力は欠かせないでしょう。
未経験であっても楽に仕事を始められるわけではなく、それなりに険しい道なのは事実です。
軽い気持ちでは難しいですが、熱意があり努力を怠らないのであれば目指すことができます。
移動体通信エンジニアに求められるスキル
移動体通信エンジニアに求められるスキルを紹介します。
以下のようなスキルがあれば、移動体通信エンジニアとして活躍できるでしょう。
技術的なスキル
移動体通信エンジニアは技術職なため、技術的なスキルが不可欠です。
無線に関する知識やプログラミングの能力などが求められます。
移動体通信エンジニア特有の範囲もあるため、それなりに専門性が高いです。
技術的なスキルや専門知識を身につけることは必須でしょう。
努力次第で得られるものですので、勉強や実務を通じてスキルを高めていくことが重要です。
コミュニケーション能力
移動体通信エンジニアには、コミュニケーション能力も求められます。
基地局設置に際しての交渉には、高いコミュニケーション能力が必要です。
ほかにも現場での作業を円滑に進めるための調整や関係者との交渉など、人と接する場面は少なくありません。
技術職のイメージが強いですが、コミュニケーション能力が活かされる仕事でもあります。
人と円滑に話す力や先述した折衝力などを身につけることが、スムーズに仕事を進めるために欠かせないことです。
転職の悩みは転職エージェントに相談しよう
転職活動をするにあたって仕事について調べたりさまざまな対策をとったりします。
転職活動中はやるべきこと・考えることが多いでしょう。そのため自然と悩みも生まれやすい状態です。
悩みを抱えた状態で過ごしても何も良いことはありませんし、解消させるに越したことはありません。
転職活動で何らかの悩みが生まれたら、転職エージェントに相談して解消するようにしましょう。
転職エージェントは多くの転職相談に乗ってきた転職活動のプロです。
経験やノウハウを活かした実用的なアドバイスを得られるため、きっと悩みが解消されます。
転職者は無料でサポートを受けることができるため、活用するべきでしょう。
転職の悩みは、プロである転職エージェントにご相談ください。
まとめ
移動体通信エンジニアは私たちがスマートフォンや携帯電話などを使って通信ができるよう支える仕事です。
専門性が高く勉強しなければならないことも多いですが、非常にやりがいを得ることができるでしょう。
努力が必要とはいえ未経験であっても目指せる仕事なので、参入しやすいです。
移動体通信エンジニアに興味が出てきたら、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
もし転職活動に関して悩みがあれば、ぜひ転職エージェントにご相談ください。
全力でサポートするとともに、転職活動が成功するよう祈っています。