機械や家電製品の制御に欠かせない組み込みシステムを開発するのが組み込みエンジニアの主な仕事です。
IoTの発展も影響して今や身近な製品の多くはコンピューターを内蔵しており、システム開発の需要は留まる所を知りません。
そのため、転職市場において組み込みエンジニアが求められる機会は今後ますます増えていくことでしょう。
今回の記事では、そんな組み込みエンジニアの志望動機の考え方を解説します。
書く時のポイントや例文・NG例文も紹介しますので、組み込みエンジニア志望の方はぜひ参考にしてください。
組み込みエンジニアの志望動機の考え方を解説
Contents
志望動機の書き方はその仕事を経験したことがあるかないかで大きく変わります。
業務経験がある場合は具体的な実績を示しましょう。エンジニアとして関わった仕事や製品について触れることも有効です。
すでに持っているプログラミングスキルの紹介や、今後のスキルアップへの意欲について触れるのも良いでしょう。
未経験の場合は、前職で得た知識やスキルを今後の仕事にどう活かしていくかアピールすることがポイントとなります。
資格の取得やスキル獲得のためにどのような努力を続けているかなど、仕事に対して前向きな姿勢を見せると好印象です。
またできれば将来のヴィジョンにも触れて、どんな形で会社に貢献していきたいかを書き添えましょう。
組み込みエンジニアの主な仕事内容は?
組み込みエンジニアの主な仕事は、機械や家電製品の制御に欠かせない組み込みシステムを開発することです。
ここでいう組み込みシステムとは電子機器や電化製品の内部に組み込まれたコンピューター制御システムを意味しています。
ユーザーの指示で正しく動作するソフトウェアを作成するのは容易ではありません。高い論理的思考力が求められるでしょう。
たとえばユーザーによるスイッチの押し間違いなど、起こりうるエラーすべてを網羅してシステムに反映する必要があります。
1つのプロジェクトをチームで進めることが多いため、コミュニケーション能力も大いに必要な仕事だといえるでしょう。
組み込みエンジニアの志望動機を書く時のポイント
組み込みエンジニアへの転職を目指す際、志望動機を作成する時には3つの書くべきポイントがあります。
IT業界を選んだ理由・その企業を選んだ理由・入社後に活かせるスキルです。
これらのポイントが欠けていると採用担当者の心証を損なう可能性もあるので注意しましょう。
この項目では各ポイントについてそれぞれ詳しく解説します。
IT業界を選んだ理由を明確に伝えよう
組み込みエンジニアの志望動機を書く時のポイント、1つ目はIT業界を選んだ理由を明確に伝えることです。
移り変わりが激しいIT業界の今を自分がどう捉えていて、これからどうなると予測しているのかを率直に記しましょう。
今後の企業への期待と絡めて、こう考えているからこの業界で働きたいと具体的に示すことができれば好印象です。
採用担当者もまたIT業界の担い手の1人なので、共に盛り上げていく気持ちで明るい展望を持って話すように心がけましょう。
企業を選んだ理由を具体的に伝えよう
組み込みエンジニアの志望動機を書く時のポイント、2つ目はその企業を選んだ理由を具体的に伝えることです。
必然性があって応募したことをアピールできれば採用担当者に好印象を抱いてもらえるでしょう。
IT業界で働きたいという気持ちばかりが前に立って、その企業を選んだ理由に少しも触れていないのはNGです。
「この人は組み込みエンジニアとして働けるならどんな会社でもいいのだろう」などと思われかねません。
会社についてリサーチを重ね、応募に整合性が感じられるような理由づけをしておきましょう。
入社後に活かせるスキルをアピールしよう
組み込みエンジニアの志望動機を書く時のポイント、3つ目は入社後に活かせるスキルをアピールすることです。
プログラミングスキルなどIT関係の業務ですぐに活かせるスキルがある場合は必ずそのことに触れましょう。
仮に実用的なスキルを持っていなくても、コミュニケーションスキルが高いなど他の能力で自分を売り込んでください。
プログラミングスキルは、C言語やアセンブリ言語を扱えると即戦力として大いに期待してもらえるでしょう。
組み込みエンジニアに求められる人物像は?
組み込みエンジニアはチームでプロジェクトを進めることが圧倒的に多い仕事です。
プログラミングの作業中こそ1人ですが、チームメイトやクライアントとのやり取りを要する事態がかなりの頻度で発生します。
そんな組み込みエンジニアなので、縁の下の力持ちになれる人やもの作りが好きな人でなければ長続きしないかもしれません。
この項目では、それら組み込みエンジニアに向いている人の2つの特徴についてそれぞれ掘り下げてご紹介しましょう。
縁の下の力持ちになれる人
組み込みエンジニアに求められる人物像の1つは「縁の下の力持ちになれる人」です。
組み込みエンジニアの主な仕事は組み込みシステムの開発なので、表舞台に出るということがまずありません。
家電製品に組み込まれた小さな頭脳の中身にまで世間の注目が集まることはほとんどないのです。
なので華やかさとは無縁といってよく、ひたすら根気を必要とする作業の連続となることでしょう。
こうした日常を平然と受け止められる、裏方に徹して全体を支えることが苦にならない人。
そんな人こそ組み込みエンジニアに向いているといえるでしょう。
もの作りが好きな人
組み込みエンジニアに求められる人物像、もう1つは「もの作りが好きな人」です。
組み込みエンジニアの主な仕事は実態のない電子データを扱うプログラミング作業ですが、もの作りには違いありません。
数多くの部品を組み合わせ、たくさんの工程を経て作られる製品のうち、ソフトウェアの部分を担っているのです。
全体の一部であるという意識を常に持ち、プログラミングをもの作りの工程の一部と捉えて前向きに取り組める。
そんな人もまた組み込みエンジニアに向いているでしょう。
組み込みエンジニアの志望動機を書く時の注意点
組み込みエンジニアへの転職を目指して志望動機を書く時に、できれば避けた方が良い考え方や表現があります。
たとえばプログラミングスキルやIT業界について「より深く知りたい・学びたい」と表現することです。
会社は学校ではありません。書くならば「実務を通して成長・貢献したい」としておいた方が良いでしょう。
また前職を辞めた理由をネガティブな言葉で表現することは避けた方が無難です。我慢のきかない人だと思われかねません。
たとえば人間関係を苦に辞めたなら「コミュニケーションを密に取れる環境で働きたい」など前向きな言い換えをしましょう。
組み込みエンジニアの志望動機の例文
この項目では組み込みエンジニアの志望動機の例文を3つご紹介しましょう。
どれも組み込みエンジニアになりたい理由を示した後、具体的なエピソードを添えるなどして仕事への熱意を表現しています。
これらの例文を参考にして、ぜひ自分なりの志望動機を書いてみてください。
文章の構成だけ借りて中身を自分自身のことにそっくり置き換えるイメージです。
書くのが苦手な人でも、きっとより良い志望動機を作り出せることでしょう。
経験者の例
「私は株式会社○○で主に制御設計のSEとして3年間働いてきました。
このたび貴社主催の技術勉強会に参加させていただき、組み込み開発にも強い興味を持ったので応募させていただいた次第です。
家電の大手メーカーと繋がりの深い貴社のアットホームな社内環境にも、開発と同じくらい強い魅力を感じました。
機械の根本となるシステムを組み込むことには、働きをコントロールすることとはまた違った面白さがあると考えております。
入社後は培ってきた経験を活かして更にステップアップし、ゆくゆくはプロジェクトリーダーとして貴社に貢献したい所存です」
未経験者の例
「私は印刷会社の営業部に所属しており、ヒアリング能力が高いと社内外から評価していただいています。
貴社のパンフレット作りをお手伝いした際、機器制御の開発の奥深さに触れ、エンジニアになりたいと強く思い始めました。
プログラミングは初心者ですが、C言語プログラミング能力認定試験を受けるべく独学で勉強を続けています。
入社後はコミュニケーション能力を活かしてクライアントと良好な関係を築き、貴社のますますの発展に貢献していく所存です」
プログラミングの知識を持つ未経験者の例
「私はシステムエンジニアになるために通信制の専門学校を利用してプログラミングの勉強を続けてきました。
普段使いのデジタル機器の組み込みシステムについて調べていた折、各メーカーと関係の深い貴社の存在を知った次第です。
まさに縁の下の力持ちと呼ぶべき貴社に対して、感謝と尊敬の念を強く感じたため応募させていただきました。
入社後は上流から下流まで幅広い工程で活躍できるSEを目指して仕事に励み、もって貴社に貢献したい所存です」
組み込みエンジニアの志望動機のNG例
組み込みエンジニアの志望動機のNG例を2つご紹介します。
もしも自分の志望動機がこれらと似通っていると感じたら、何がどういけないかをよく考えて早々に書き換えてください。
NG例の改善点がどの辺りにあるかについても詳しく解説します。
漠然とした内容の自分語り
「私は昔からIT関係に強い関心があり、専門学校でプログラミングを中心に学んできました。
今後もIT業界は進化と発展を続けて、特にデジタル機器や家電の組み込みシステムに関する需要は伸び続けると思います。
貴社に入社して自分の技術を伸ばし、そんな社会の要請に応えていくつもりです」
不勉強な自分に無自覚
「機械部品の卸業を営む会社で事務として3年働いています。
パソコンの扱いには自信があり、特に資格は持ちませんがブラインドタッチは得意です。
一人黙々と作業をする環境で業務に集中したい私にはプログラミングの仕事はうってつけだと思い、応募させていただきました。
入社後は研修で教わる内容をできるだけ吸収して自分のものにし、一日も早く貴社に貢献できるようがんばります」
NG例の改善点
上記2つのNG例文で求職者は自分の都合しか語っていません。また圧倒的にリサーチ不足であり、そこも大きな改善点です。
志望動機を書く前に、自分のことと同じくらい相手企業のことも掘り下げて調べましょう。
自分と相手企業との接点を明確にできれば、志望動機に強い説得力が生まれます。
また、自分の都合ではなく会社に貢献することを優先する姿勢を表明してください。
一緒にがんばって会社を良くしたいという意識を見せることで、採用担当者に好感を抱いてもらえるでしょう。
好印象な志望動機を作成するために
組み込みエンジニアへの転職を目指す際、志望動機を書く時には、採用担当者の心証を損なわないよう気をつけたいものです。
そして叶うなら、できる限り好印象を持ってもらいたい。そう考える方は多いのではないでしょうか。
志望動機に書く内容はおおむね自分のことですが、目線は採用担当者側に置いておいた方が良いでしょう。
これは、採用担当者が読んだ時にどんな気持ちになるかを想像しながら書くということです。
この項目では、その時に大切な2つのポイントをご紹介します。
自己分析をしよう
志望動機は詳細な自己分析を行った後に書くよう心がけましょう。
組み込みエンジニアに興味を持つに至ったきっかけや、自分がIT業界に向いていると思う根拠など、すべて掘り下げて考えます。
自己分析ではスキルの棚卸しも行います。持ち前の性格や前職で得たスキルなどが今後にどう活かせるかを考察するのです。
考えて出した結論は、箇条書きで構わないので些細なことまですべて書き出します。
そこから志望動機を書き始めれば、おのずと一貫性と説得力のある文章になることでしょう。
企業分析をしよう
自分のことばかり書いてあって、相手企業に関して少しも触れていない志望動機はいただけません。
応募先の企業のことも自分と同じくらい掘り下げて、自分との接点を見つけて書くようにしましょう。
どんな相手も自身について深く知ってくれていると分かれば嬉しいものです。採用担当者も同じと考えて良いでしょう。
自分たちの会社をよく知っている。うちで働く意欲がある。採用担当者にそう思ってもらえる志望動機を書きたいものです。
転職の悩みは転職エージェントに相談しよう
自分のことも企業のことも掘り下げてよく考え、説得力と納得感のある志望動機を書くことができた。
けれどやっぱり誰かにチェックしてもらわないと不安だ。そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
転職に関する悩みは迷わず転職エージェントに相談してみてください。
転職のプロである転職エージェントは、IT業界への転職を希望する求職者の志望動機にもたくさん触れています。
あなたの志望動機のどこをどうすればより良いものになるか、きっと良いアドバイスをくれることでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の記事では、組み込みエンジニアの志望動機について考え方や書く時のポイントなどを詳しくご紹介しました。
IoTの発展が次から次へと組み込みシステムのニーズを生み出し、組み込みエンジニアの需要をますます高めています。
数多いライバルたちの中から頭ひとつ抜け出すためには優れた志望動機の文章が欠かせません。
もしも志望動機の書き方に不安を覚えたら、ぜひ転職エージェントに相談してみてください。
より良い志望動機を書くための最良のパートナーとなってくれることでしょう。