AWS(Amazon Web Services)を利用してインフラの構築やアプリケーションの導入などを行うのがAWSエンジニアです。
AWSはAmazonにより提供されているクラウドコンピューティングサービスになります。
導入までに時間がかからず初期費用も必要ないという特徴のあるサービスです。
クラウドサービスの仮想サーバーが注目されていることもありAWSエンジニアの需要も高まっています。
具体的なAWSエンジニアの仕事内容について気になっている方がいらっしゃるかもしれません。
この記事ではAWSエンジニアの仕事内容について解説します。
需要や将来性・キャリアパスなども紹介しますので参考にしてください。
AWSエンジニアの仕事内容を解説
Contents
AWSエンジニアの仕事内容を解説します。
これまでは企業が大規模なシステムインフラを導入しようとすると数か月以上の準備期間が必要でした。
AWSを利用すればシステムインフラが数日で利用可能になります。
AWSエンジニアの業務はインフラエンジニアと似ているといえるでしょう。
異なる点は「システムインフラの構築にはAWSを利用する」点です。
AWSは多くのサービスがありますのでそれを使いこなすだけの知識が必要になります。
設計(アーキテクチャ)
AWSの設計業務は、AWSを使用したシステムアーキテクチャの設計、構築、および運用を担当することを意味します。具体的には、以下のようなタスクが含まれます。
アプリケーションの要件定義
AWSの設計業務では、アプリケーションの要件を詳細に理解し、それらの要件をAWS上で実現するための最適なアーキテクチャを設計します。
AWSサービスの選択
AWSには多数のサービスがありますが、設計業務では、そのアプリケーションに必要なサービスを選択し、最適な組み合わせを検討します。
システムのアーキテクチャ設計
AWSの設計業務では、選択されたサービスを使用してシステムアーキテクチャを設計します。この際、スケーラビリティ、可用性、セキュリティ、パフォーマンスなどの要素を考慮して、適切なアーキテクチャを構築します。
インフラストラクチャの設定
AWSの設計業務では、必要なAWSサービスを設定し、必要な構成やパラメータを定義して、アプリケーションを実行するためのインフラストラクチャを構築します。
自動化と監視
AWSの設計業務では、システムの自動化と監視を実施します。例えば、AWS CloudFormationを使用してインフラストラクチャのプロビジョニングを自動化し、AWS CloudWatchを使用してシステムの監視を行います。
セキュリティ設計
AWSの設計業務では、セキュリティを重視した設計が求められます。例えば、AWSのセキュリティグループ、暗号化、IAMなどのサービスを使用して、セキュアなシステムを設計します。
以上のように、AWSの設計業務は、アプリケーションやシステムの要件を理解し、それらの要件を満たすためにAWSのサービスを使用して最適なアーキテクチャを設計することが求められます。
構築
AWSの構築業務は、AWSを使用してシステムアーキテクチャを実際に構築することを指します。具体的には、以下のようなタスクが含まれます。
AWSサービスのセットアップ
AWSの構築業務では、アーキテクチャ設計に基づいて、必要なAWSサービスをセットアップします。例えば、Amazon EC2やAmazon RDSなどのインスタンスを作成し、Amazon S3などのストレージサービスを設定します。
インフラストラクチャのプロビジョニング
AWSの構築業務では、インフラストラクチャをプロビジョニングします。これには、AWS CloudFormationを使用して、アプリケーションやサービスに必要なAWSリソースを作成し、構成することが含まれます。
ソフトウェアの設定とデプロイ
AWSの構築業務では、アプリケーションに必要なソフトウェアをインストールし、構成します。また、AWS CodeDeployやAWS Elastic Beanstalkなどのサービスを使用して、アプリケーションをデプロイします。
ネットワークの設定
AWSの構築業務では、ネットワークの設定も行います。例えば、Amazon VPCを使用して、仮想ネットワークを作成し、サブネットやルーティングを設定します。
自動化と監視
AWSの構築業務では、システムの自動化と監視も行います。例えば、AWS Lambdaを使用して、自動化スクリプトを作成し、AWS CloudWatchを使用して、システムの監視を行います。
セキュリティ設定
AWSの構築業務では、セキュリティ設定も行います。例えば、AWSのセキュリティグループやIAMロールを使用して、セキュアなシステムを構築します。
以上のように、AWSの構築業務は、アーキテクチャ設計に基づいてAWSリソースをセットアップし、システムを実際に構築することが求められます。
運用
AWSの運用業務は、AWSで構築されたシステムを安定的かつ効率的に運用することを指します。具体的には、以下のようなタスクが含まれます。
監視とアラートの設定
AWSの運用業務では、AWS CloudWatchやAWS Configなどのサービスを使用して、システムを監視し、必要に応じてアラートを設定します。これにより、システムの問題を迅速に特定し、対処することができます。
パフォーマンスのチューニング
AWSの運用業務では、システムのパフォーマンスを監視し、必要に応じてチューニングを行います。例えば、Amazon RDSやElastiCacheなどのサービスを使用して、データベースのパフォーマンスを最適化することができます。
バックアップとリカバリー
AWSの運用業務では、システムのバックアップとリカバリーを定期的に実施します。これにより、データの損失やシステムの停止を回避し、迅速に復旧することができます。
セキュリティの維持
AWSの運用業務では、セキュリティの維持も重要なタスクです。AWSのセキュリティグループやIAMロールを使用して、セキュアなシステムを維持し、サイバーセキュリティ攻撃からシステムを保護します。
インシデント管理
AWSの運用業務では、システム障害やセキュリティ侵害などのインシデントに対応することも求められます。インシデントが発生した場合には、AWSのサポートに連絡して、問題を解決するための支援を受けることができます。
以上のように、AWSの運用業務は、システムの安定性と可用性を維持し、セキュリティを維持することに重点が置かれます。また、適切な監視と定期的なメンテナンスを行うことで、システムのパフォーマンスを最適化することも求められます
・設計業務
・構築業務
・運用業務
AWSエンジニアの役割
新しいWEBサービスを展開する上でサーバー環境を構築することが必要になります。
セキュリティに配慮しながらサーバーの運用管理も行わなければなりません。
AWSがクラウド上のサービスだとしても一般的なフロントエンジニアやバックエンドエンジニアがAWSについて専門知識はありません。
また従来のインフラエンジニアの知識だけではAWSサービスを利用したインフラを構築することは難しいでしょう。
AWSエンジニアは数あるAWSのサービスから最適なものを選びインフラを構築します。
AWSに特化した知識を活用してインフラを構築・提供するのがAWSエンジニアの役割といえるでしょう。
AWSでできること
AWSは数多くのサービスを提供しています。特に代表的なものは以下の通りです。
- サーバー環境の構築・運用
- データ保存・コンテンツ配信
- データベースとしての活用
- ビッグデータ処理
- サーバーレスアーキテクチャの構築
- コンピューティングリソースのオートスケーリング
- マシンラーニング
- インターネットオブシングス(IoT)
他にも多くのサービスが提供されており多種多様なパブリッククラウドサービスが利用可能になっています。
それぞれのサービスについて解説していきますので参考にしてください。
AWSの特徴
AWSは必要な時に必要な分だけITリソースを調達可能です。
初期費用が無料であり従量課金型になっています。
そのため新しいプロジェクトの立ち上げや実験的なサービスが低価格で開始できるという特徴があります。
AWSでは必要な時に簡単な手順でサーバーの増減が可能です。
稼働中のサーバーのスペックやストレージのサイズも変更が可能になっています。
従来の自社サーバーと比較すると柔軟に変更可能なITリソースだといえるでしょう。
200を超える豊富なサービスがあり常に最新のITサービスを利用できることも大きな特徴です。
サーバー環境の構築や運用
Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)はクラウド上に仮想サーバーを構築できるサービスです。
数ヵ月以上の準備期間を必要としていた従来の自社サーバー構築とは違い、短い時間で仮想サーバーを構築することができます。
ウェブスケールのクラウドコンピューティングを簡単に利用できるような設計です。
手間をかけずに必要な機能を手に入れることができます。
データ保存やコンテンツの配信
Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)はどこからでも簡単にデータの保存や取得ができるオンラインストレージサービスになります。
AWSの提供する暗号化機能とアクセス管理ツールを使用すれば不正なアクセスからデータを保護できることもポイントです。
使用するアプリケーションに個別のアクセス許可を付与可能ですので、データアクセスの管理も容易だといえるでしょう。
必要に応じてデータを利用することもできますので障害やエラーからデータを守ることもできます。
データベースとして活用
Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)を使用するとクラウド上のデータベースのセットアップや運用が可能になります。
選択できるデータベースエンジンは以下の6種類です。
- Amazon Aurora
- MySQL
- MariaDB
- Oracle
- Microsoft SQL Server
- PostgreSQL
このように一般的なデータベースエンジンを補完しているので既存のデータベースで使用しているコードやアプリケーションを利用できます。
ソフトウェアには最新のパッチが自動で適用されるため管理の負担減少につながるでしょう。
データベースのバックアップも自動で行われるなど運用も容易だといえます。
ビッグデータ処理
AWSは、Amazon Simple Storage Service(S3)やAmazon Redshiftなどのサービスを提供しており、ビッグデータ処理ができます。S3は、大容量かつ高可用性のストレージを提供しており、Redshiftは、大量のデータを高速にクエリするためのデータウェアハウスです。
サーバーレスアーキテクチャの構築
AWS LambdaやAmazon API Gatewayなどのサービスを組み合わせることで、サーバーレスアーキテクチャの構築ができます。サーバーレスアーキテクチャでは、サーバーの管理やスケールアップなどの負荷を軽減し、コストを削減することができます。
コンピューティングリソースのオートスケーリング
AWSは、Auto Scalingなどのサービスを提供しており、コンピューティングリソースのオートスケーリングができます。Auto Scalingでは、アプリケーションの負荷に応じて、自動的にコンピューティングリソースを増減させることができます。
インターネットオブシングス(IoT)
AWSは、Amazon SageMakerやAmazon Rekognitionなどのマシンラーニングサービスを提供しており、機械学習によるビジネスアプリケーションの開発ができます。SageMakerは、機械学習のモデルを構築、トレーニング、デプロイするためのフルマネージドサービスであり、Rekognitionは画像とビデオの分析に特化したマシンラーニングサービスです。
マシンラーニング
AWSは、Amazon IoT CoreやAWS IoT GreengrassなどのIoTサービスを提供しており、IoTアプリケーションの開発ができます。IoT Coreは、IoTデバイスとの通信、データの処理、セキュリティ管理などを実現するフルマネージドサービスであり、IoT Greengrassは、IoTデバイスでのコンピューティングをローカルで実行することができます。
AWSエンジニアの年収
近年パブリッククラウドの市場が急成長しています。オンプレからクラウドへの移行も加速しており特にAWSはシェアが高いといえるでしょう。
AWSを導入する企業が増えている一方で対応できるエンジニアの数は限られています。
そのため需要が多く、AWSエンジニアの年収は比較的高いといえるでしょう。
AWSエンジニアはインフラエンジニアやネットワークエンジニアが兼任する場合も多いです。
高い知識とスキルを持ったエンジニアですので年収も低くはありません。
ネットワークエンジニアの平均年収が450万円といわれていますのでAWSエンジニアの年収はそれ以上と考えてよいでしょう。
AWSエンジニアの需要
AWSエンジニアの需要について解説していきます。
クラウド化が進みAWS導入を考える企業の増加が見込めるためAWSエンジニアの需要は高まると考えられます。
IT業界ではビッグデータの活用も進んでいますのでビッグデータに対応したAWSを利用する企業は増えるでしょう。
フリーランス案件が多め
フリーランスのAWSエンジニアへの案件が数多く見られます。
AWSを導入する企業が増えることによりAWSエンジニアの需要も高まり自分の希望する仕事とマッチすることもできるでしょう。
フリーランスのAWSエンジニアが案件を受注すると月単価は80万円ほどだといわれています。
AWSでの運用が中・長期になることを考えるとAWSエンジニアの年収は高い水準になるでしょう。
エンジニアが仕事を選べる場合が多い
需要が高くAWSエンジニアの案件は多いです。
そのためAWSエンジニアは自分の希望する仕事を選べる場合が多いといえるでしょう。
今後AWSを利用する企業が増えていく過程でAWSエンジニアの案件も多様化していきます。
インフラ構築だけではなくミドルウェアやセキュリティに詳しい人材を求める企業も増えていくでしょう。
今後ますますAWSエンジニアは自分の得意な案件を選んで仕事をすることができるようになります。
AWSエンジニアの求人が増加する理由
AWSエンジニアの求人が増加する理由について解説します。
「パブリッククラウド市場の成長」や「脱オンプレが加速」などがAWSエンジニアの求人増加の要因になっているようです。
パブリッククラウド市場の成長
パブリッククラウドはインターネットを通じてサーバーやデータベースなどのクラウドコンピューティング環境を提供するサービスです。
パブリッククラウドはサーバーの構築など高額な初期投資が必要ありません。
必要なサービスを必要な量だけ利用可能ですので導入しやすいサービスだといえるでしょう。
また利用料に応じての課金システムを採用しているサービスが多く、料金に見合った使い方ができることも魅力です。
導入がしやすいことや利用状況に合った料金を支払うことを考えるとパブリッククラウド市場はますます成長していくといえるでしょう。
脱オンプレが加速
オンプレとは情報システムを自社内設備で管理運用することです。
従来では企業のシステムで扱う情報は社外秘であり全て自社で管理するものとなっていました。
ところがインターネットの高速化や業務効率化によるアウトソージングの一般化によって従来の考え方が変化してきたのです。
外部のリソースをうまく活用しオンデマンドのサービスを利用する企業が増加しました。
オンプレはハードやソフト面の初期投資が自社負担となります。一方クラウドは初期投資がほぼ必要ありません。
クラウドサービスでは自動でバックアップが取られ常に最新のパッチが稼働するという利点もあります。
システムの構築についても数ヶ月以上必要なオンプレに比べクラウドは長くても数日しかかかりません。
こういった背景もあり脱オンプレが加速しているといえるでしょう。
・パブリッククラウド市場の成長
・脱オンプレが加速
AWSの導入する企業が増えている理由は
スケーラビリティが高い
AWSは、インフラストラクチャをクラウド上に構築することで、スケーラビリティが高く、需要の変動に応じて簡単にリソースを増減することができます。このため、ビジネスの急激な成長に対応できるという利点があります。
セキュリティが強固
AWSは、物理的なセキュリティやネットワークセキュリティ、データセキュリティなど、多層のセキュリティ対策を施しています。また、多数のセキュリティサービスを提供することで、顧客のセキュリティ強化に貢献しています。
コスト効率が高い
AWSは、必要なリソースだけを使用することができるため、無駄なコストをかけることなく、必要なリソースだけを最適なコストで利用することができます。また、AWSの課金は、使用した分だけ課金される従量課金制であるため、コストを柔軟にコントロールすることができます。
多様なサービスがある
AWSは、様々なサービスを提供しており、ビジネスのニーズに合わせた柔軟なクラウドソリューションを提供しています。これにより、ビジネスに必要な機能を簡単に導入することができます。
パフォーマンスが高い
AWSは、多数のグローバルリージョンを持ち、高速なネットワークを構築しています。また、高性能なサーバーを利用することで、高速な処理が可能です。これにより、ビジネスの要件に合わせた高性能なアプリケーションやサービスを提供することができます。
これらの理由により、AWSは、多くの企業に利用されるクラウドサービスとなっています。
AWSエンジニアの将来性やキャリアパス
近年ではAWSの導入する企業が増えており、現在においてはAWSエンジニアは引く手あまたとなっております。
そこでAWSエンジニアの将来性やキャリアパスを紹介しますので参考にしてください。
将来性
AWSを利用するためにはネットワークやインフラ・クラウドの知識に詳しいだけではなくAWSの知識も必要になります。
インフラエンジニアやネットワークエンジニアの知識だけではAWSを使いこなすことは難しいでしょう。
そのためAWSに特化した知識を持つAWSエンジニアの需要はますます高まっていくでしょう。
脱オンプレが加速する中でAWSは大きなシェアを持っています。
今後も発展していく市場ですのでAWSエンジニアを必要とする企業は増えていくでしょう。
キャリアパス
AWSエンジニアからのキャリアパスは以下のような例が挙げられます。
- 技術部門のトップ
- 社内の研修担当者
- フリーランス
AWSエンジニアはネットワークやクラウドの知識がありますので、技術部門のスペシャリストを目指すことができるでしょう。
様々な知識を活かして社内の研修担当者に就任するパスもあります。
IT関連の需要は今後ますます高まるでしょう。外部に技術委託をするよりも社内で技術者を育てることに力を入れる企業も多いです。
フリーランスとして独立するAWSエンジニアもいます。
独立したエンジニアは自分で案件を探さなければなりません。
AWSに関する需要が高まっている状況においては、AWSエンジニアは仕事を選んで受注することもできるでしょう。
・技術部門のトップ
・社内の研修担当者
・フリーランス
未経験でもAWSエンジニアになれる?
未経験でAWSエンジニアを目指すことは不可能ではありません。
AWSエンジニアに求められるスキルを習得することにより目標に近づけるでしょう。
AWSエンジニアはAWSに関する知識はもちろんのことクラウドサービスの知識やITインフラの知識も必要です。
そのためサーバー技術が身に付くインフラエンジニアからキャリアをスタートさせる方法があります。
またプログラマーとして経験を積んでAWSを目指すパスもあるようです。
AWSに関する知識を証明するためにAWS 認定試験を受けるのも良いでしょう。
転職相談は転職エージェントを活用しよう
AWSエンジニアへの転職について疑問がある方もいらっしゃるかもしれません。
転職に関する疑問は転職エージェントにご相談ください。
転職のプロである転職エージェントは多くの情報を持っています。
転職を考えたときに大切なことは業種や企業の情報です。事前にリサーチを行うことで自分に合った業種かどうかを知ることができます。
また多くの求人の中から自分のスキルを活かせる求人を一人で探すには限界があるでしょう。
そんな時は転職エージェントからのアドバイスが役に立ちます。
転職エージェントに相談して疑問を解消し転職を成功させましょう。
まとめ
多くのサービスを提供するAWSをうまく活用することができればインフラの構築や運用も簡単になります。
AWSを導入する企業が増加するとともにAWSエンジニアの需要は高まるでしょう。
もしAWSエンジニアへの転職について疑問がありましたら転職エージェントにご相談ください。
疑問を解消してスムーズな転職活動を行いましょう。
転職のプロである転職エージェントからの的確なアドバイスで転職を成功させてください。