データベース(DB)技術は、どのシステムにも欠かせない普遍的なものです。
だからこそ、DBスペシャリストは誰からも頼られ、代えがきかないオンリーワンな存在。
DB技術のスキルと知識を身につければ、将来のキャリアを開く絶対的な強みになります。
アプリやネットワークの設計や構築業務だけでなく、製品知識を極めればセールスという選択肢も。
多様なキャリアパスを描くことができるDBエンジニアに役立つおすすめの資格について解説します。
データベースエンジニアに役立つ資格を解説
Contents
- 1 データベースエンジニアに役立つ資格を解説
- 2 おすすめの資格「情報処理技術者試験」
- 3 おすすめの資格「Microsoft 認定: Azure Database Administrator Associate」
- 4 おすすめの資格「AWS Certified Database – Specialty」
- 5 おすすめの資格「MCP(マイクロソフト認定資格プログラム)」
- 6 おすすめの資格「Oracle Master」
- 7 おすすめの資格「OSS-DB技術者認定資格」
- 8 おすすめの資格「データベーススペシャリスト試験」
- 9 データベースエンジニアの資格取得のメリット
- 10 募集要項で特定の資格を必要とする企業もある
- 11 転職相談は転職エージェントを活用しよう
- 12 まとめ
データベース関連の資格取得はスキルアップにつながり、基礎知識に加えて高度で総合的な技術力があることを証明できます。
資格があれば企業から高評価を得て転職に成功し、さらに収入がアップする可能性もあります。
特にDBエンジニアに役立つ資格は次の7つです。
- 情報処理技術者試験
- Microsoft 認定: Azure Database Administrator Associate
- AWS Certified Database – Specialty
- MCP(マイクロソフト認定資格プログラム)
- Oracle Master
- OSS-DB技術者認定資格
- データベーススペシャリスト試験
それぞれどんな特徴があるのか、詳しくみていきましょう。
おすすめの資格「情報処理技術者試験」
DBエンジニアは、まずITエンジニアとしての基礎知識を身につけていなければなりません。
「情報処理技術者試験」では、データ群を分析してパフォーマンスに優れたDBシステムの基盤を提供するための基礎知識が試されます。
他の資格を取得する前に、まずこの基礎的なインフラ系スキルを身につけ、顧客からだけでなく社内的にも高い評価を得ましょう。
資格の特徴
「情報処理技術者試験」は、経済産業大臣が管轄する情報処理推進機構(IPA)が運営するIT分野では最も認知度が高い国家資格です。
資格は全部で12種類ありますが、DBエンジニア向けには難易度の低い順に次の4種類があります。
- ITパスポート試験
- 基本情報処理技術者試験
- 応用情報技術者試験
- データベーススペシャリスト試験
おすすめの理由
「情報処理技術者試験」の中でも「基本情報技術者試験」は、ほとんどのITエンジニアの登竜門とまでいわれています。
経験が浅いDBエンジニアでも、この国家資格を取得することで幅広い基本的知識を身につけていることが証明できます。
「情報処理技術者試験」は、転職先に良い印象を与えることができる、おすすめの資格です。
おすすめの資格「Microsoft 認定: Azure Database Administrator Associate」
Microsoft Azureに特化したデータベース管理者向けの資格で、Azure SQL DatabaseとAzure Cosmos DBの設計、実装、管理のスキルを証明するものです。
Azureはクラウドサービスとして、今後ますます普及することが予想されており、Azure Database Administrator Associate資格を持っていることで、将来的なキャリアアップの機会が増える可能性があります。
資格の特徴
Azureのデータベースプラットフォームの専門家になるための認定資格であり、Azure上でのデータベースの設計、デプロイ、監視、セキュリティ、高可用性、パフォーマンスの最適化、バックアップおよび復旧、データ移行について学びます。
また、データベース管理者として、データベースアプリケーションのパフォーマンスの問題を特定し、解決するためのスキルを習得できます。
Azure上でのデータベース管理に関する深い知識を証明することができ、キャリアアップにつながることでしょう。
おすすめの理由
「Azure Database Administrator Associate」の資格をとることで、Azureデータベースの設計、実装、管理に必要なスキルや知識を習得していることを証明でき、また、Azureのデータベースサービスを活用したアプリケーションの開発や運用業務をできることをアピールすることができます。
特に、Azure SQL Database、Azure SQL Managed Instance、およびAzure Cosmos DBの管理に関するスキルを習得していることは、企業や組織にとって非常に価値があり、就職に有利に働くことでしょう。
Azureは今後ますます普及することが予想されており、Azure Database Administrator Associate資格を持っていることで、将来的なキャリアアップの機会が増える可能性があります。
おすすめの資格「AWS Certified Database – Specialty」
AWS Certified Database – Specialtyは、Amazon Web Services(AWS)のデータベースソリューションに関する高度な知識を持っていることを証明する認定資格です。
資格の特徴
「AWS Certified Database – Specialty」は、AWSのデータベースソリューションの中でも、リレーショナルデータベース、NoSQLデータベース、データウェアハウス、データレイクなど、多岐にわたるデータストレージおよびデータ処理ソリューションに関する高度な知識を必要とします。
AWS Certified Database – Specialtyの資格を持つことにより、AWSのデータベースソリューションに関する専門知識を有しており、クラウド上で大規模かつ複雑なデータベースソリューションを構築・運用するスキルを持っていることが証明されます。
おすすめの理由
AWS Certified Database – Specialtyの資格を持つことで、AWSのデータベースに関する専門知識を有していることが証明されます。
AWSは、クラウド環境におけるデータベースソリューションの主要プロバイダーの一つであり、AWSのクラウド環境を利用する企業が増えているため、AWSの専門知識を持っているデータベースエンジニアの需要が高まっており、企業にとって、AWSを利用したクラウド環境におけるデータベースソリューションを設計・構築することができるスキルを持っている候補者であることが分かります。
また、AWS Certified Database – Specialtyの資格を有する者はまだ少ないと考えられるので、この認定資格を持っていることが採用決定に大きく影響する可能性があります。
おすすめの資格「MCP(マイクロソフト認定資格プログラム)」
マイクロソフト社の製品は様々な分野で利用され、全世界で認知されています。
マイクロソフト社製品を確かな知識とスキルで操作できる能力があれば、世界に通用するDBスペシャリストです。
希望の職種と必要資格がMCPにリンクしていれば、転職先に自分を強くアピールすることができます。
資格の特徴
MCPは世界各国の言語で実施され、同内容・基準の世界に通用するベンダー系の資格プログラムです。
DBエンジニアの技術的な専門知識を、マイクロソフトの製品、テクノロジー、ソリューションの幅広い角度から検証します。
MCPでは「マイクロソフト認定ソリューション(MCS) アソシエイト」資格を取得すると、次の2つの資格を取得することができます。
- エンジニア向けの「MCSエキスパート」資格
- デベロッパー向けの「MCSデベロッパー」資格
おすすめの理由
世界的に通用するMCP資格は、さまざまなマイクロソフト社製品に個別に対応できる能力を証明します。
未経験者ではなく、ある程度の実務経験がある転職希望者がMCPを取得していれば、スキルの証明になります。
MCP資格は、目指したいキャリア分野でのスペシャリストとして意識の高さを示すことができる、おすすめの資格です。
おすすめの資格「Oracle Master」
Oracle社は世界的に利用されているDB管理システム、Oracle Databaseを提供しています。
2020年、Oracle Masterは累計27万人を超え、DB管理者としてのスキルを証明する最適な資格として確固たる実績を示しました。
また、ITを取り巻く状況が急速に変化しているため、2020年1月から資格体系を刷新しました。
資格の特徴
Oracle Masterは20年以上にわたり市場で広く認知されたITベンダー資格です。
2020年1月より、バージョン非依存の資格になっただけでなく、SQLが独立資格となるなど新体系Oracle Master 2019に移行しました。
DB管理者にはロールごとに以下の4つの認定資格があります。
- Bronze
- Silver
- Gold
- Platinum
これらの認定資格は、スキルアップの指針として活用することができます。
さらに、プロダクトに依存しない汎用的なSQL言語の知識を証明する「Oracle Master Silver SQL」が導入されました。
これにより、Oracleを扱わないディベロッパーやデータ分析エンジニアなどのユーザーにも有意義な資格になりました。
おすすめの理由
Oracle Masterの資格は、Oracle専門エンジニアとしてシステムの開発・DB管理・保守・運用スキルがあることの証明です。
「Silver」以上の資格を取得できれば、難易度が高いため即戦力として認められます。
「Gold」を取得すれば、Oracle社認定の世界共通資格Oracle Certified Professional(OCP)に自動的に認定されます。
さらに、転職先で資格手当がもらえる可能性もある、おすすめの資格です。
おすすめの資格「OSS-DB技術者認定資格」
オープンソースデータベース(OSS-DB)は、オンライン上で無償公開される改変・再配布が可能ですが商用DBに引けをとりません。
OSS-DBを効率的に活用したい企業は増え、そのスキルを習得する重要性が高まっています。
OSS-DB技術者認定試験では、OSS-DBの基礎知識、システム設計スキル、大規模システム構築力・運用力が認定されます。
「ビッグデータ」「情報セキュリティ」「クラウドコンピューティング」などの今後成長する分野でとても有利です。
資格の特徴
OSS-DB技術者認定試験は、DB管理やアプリ設計・開発技術力を「Gold」と「Silver」の2つのレベルで認定します。
「Gold」は大規模DBの運用管理などに関する応用スキルを認定し、「Silver」は小規模DBの運用管理などに関する基本知識・スキルを認定します。
資格の有効期限は5年間ですが、「Gold」は有効期限内の「Silver」資格を同時に有していることが条件です。
おすすめの理由
多くの企業が事業発展のためビッグデータの膨大な量のデータを収集、解析できるDBを必要としています。
今日、ビッグデータを迅速に処理できるDB開発・運用ソフトはOSSで制作され、その重要性は高まっています。
OSS-DB技術者資格は、ニーズに合ったOSS-DBを提案・管理・運用できる人材として優位にアピールできる、おすすめの資格です。
おすすめの資格「データベーススペシャリスト試験」
人工知能(AI)技術が発達し、ビッグデータ解析に精通しているDBエンジニアへの需要は高まっています。
技術革新や情報更新、クラウド化するDBに対応できる知識やスキルは「データベーススペシャリスト試験」で証明することができます。
システム基盤の企画提案・要件の定義・開発・運用・保守ができる高度で幅広い専門知識が問われる難易度が高い国家試験です。
急速に進化するDB技術の最先端で活躍するエキスパートとしての専門性を証明し、転職を有利に進めましょう。
資格の特徴
この試験は経済産業省認定の国家資格「情報処理技術者試験」の一区分ですが、2019年度の合格実績は14.4%と難関です。
DBシステムの企画から保守まで多岐にわたる試験範囲はレベル4とされ、総合的知識を有する上級SEとしての能力を認定します。
次の4つの資格があれば、「データベーススペシャリスト試験」の一部免除があり有利です。
- 中小企業診断士試験
- 技術士試験
- 弁理士試験
- ITコーディネータ試験
おすすめの理由
「データベーススペシャリスト試験」は難関ではありますが、この資格は上級SEである証明になります。
ぜひこの資格取得にチャレンジして、専門性の高いDBエンジニアとしてのスキルアップにつなげましょう。
大規模DBが取り扱える上、新技術や情報にも精通し、システム構築~運用までを総合的に支援できる人材としてアピールしましょう。
企業から高い評価を得て収入アップにもつながる、おすすめの資格です。
データベースエンジニアの資格取得のメリット
データベース(DB)エンジニアは、システムインフラのスペシャリストです。
DBに関する知識はもちろんのこと、それを企画・開発・運用・保守する網羅的なスキルが求められます。
DBエンジニアは資格を取得する必要はありません。
しかし、資格を取得するための努力を惜しまないこと、そして実際に資格を保有していることにはさまざまなメリットがあります。
では、具体的に説明しましょう。
スキルの証明ができる
DBエンジニアはITシステムのDB設計から保守までを担う総合的な技術者です。
DBに関する基本的知識があることは必須ですが、その知識を実務に活かせるスキルが求められます。
資格があれば、就職や転職に際してスキルがあることが証明され、技術者としてのアピール度がアップ。
難易度の高い資格取得は上級エンジニアとしての評価と高い収入が得られる上、将来性や幅広いキャリアパスが描けるようになります。
資格勉強で知識がつく
資格取得のための学習の過程は学びの質と実務性が高く、資格そのものと同じくらい重要です。
資格の難易度に応じた勉強をしっかりと行い、試験当日には万全の準備をして本番に望みましょう。
過去問で傾向と対策を練るだけでなく、記述式の出題にも対応できるよう各テーマを深く理解する必要があります。
下位資格が上位資格の受験条件である場合は、順番に資格を取得してプロフェッショナルとしてのスキルを高めましょう。
転職に役立つ
経済産業省のデータ駆動型社会に関する報告書には、製造プロセスやモビリティなどの領域でITシステムの革新的変化が生じるとされています。
膨大なデータを取得して管理する方法も例外ではありません。
この急激な変化に対応できるデータ管理のスペシャリストとしてDBエンジニアに対する期待は高いのです。
資格取得は、この高まる期待に応える高度な専門性を証明でき、トレンドを捉えたスキルアップにもつながります。
地道に学習する必要がありますが、将来性のあるDBエンジニアとして明確なキャリアパスを見いだすことができます。
転職に成功するには、資格取得が一番の近道だといえるでしょう。
募集要項で特定の資格を必要とする企業もある
特定の資格を必要としないDBエンジニアですが、企業の中には必須要件として特定の資格を求めるケースがあります。
Microsoft SQL ServerやOracle、MySQLなどの大規模なシェアを占めるDB製品をシステム基盤とする企業だけではありません。
ビッグデータを高速処理できるMongoDB、Redis、Memcachedなどのソフトを利用する企業も。
プログラマーやSEとしての実務経験に加え、各企業の戦略に応じたスキルセットの要件を把握して資格を取得し転職を優位に進めましょう。
転職相談は転職エージェントを活用しよう
キャリアパスに正解はありません。転職は希望者ひとりひとりの人生に関わる重要事です。
妥協せず納得できる道を探していきましょう。
そのためには最新の情報を多く入手し、転職先への理解を深める必要があります。
自分の力だけに頼らず、経験豊富な転職エージェントに相談して求人内容を詳しく分析し、圧倒的に有利に転職活動を進めましょう。
複数のエージェントを利用すれば情報のブレをなくすことができ、各エージェントが保有する求人を幅広く活用することが可能です。
エージェントには、自分の情報と転職理由、今後つきたい仕事の内容、希望の勤務地や年収を事前に明示してください。
面接対策でも、エージェントを活用すれば転職希望先の企業の営業担当者と直接話をしてくれます。
詳細な情報が得られる上、面接終了後にフィードバックを確認してもらうことも。
直接応募では聞くことができないエージェント経由だからこそ得られる情報をうまく利用しましょう。
給与の交渉もエージェントが支援するので、最終面接から内定の間にエージェントへ希望を伝えて交渉してもらいましょう。
また、内定通知書もエージェント経由で受け取って内容を確認し、必要に応じて条件面談を設定してもらうこともできます。
転職エージェントをフル活用して、転職を成功させましょう。
まとめ
DBエンジニアは、さまざまなビジネスの基幹であるDBを専任で扱う技術者として、情報システムには不可欠な存在です。
しかし、AIやIoTの時代になり、DB技術だけにとどまっていては需要が減る一方。
DB技術は絶対的な強みですが、もはや専門性を追求するだけではだめなのです。
幅広い周辺知識を習得し、加速化するIT環境の革新にも対応できるオールラウンダーとして最高の逸材に成長していきましょう。
デジタル化が進む「データ駆動型社会」の到来を前に、最新の技術動向を捉えたDBエンジニアのスキルこそが不可欠なのです。
DBエンジニアとしてのスキルを証明するために、ここで詳しく解説した「おすすめの資格」に積極的にチャレンジしましょう。
将来性のあるキャリアパスが、貴女の一歩を待っています。