IT業界の変化は目覚ましく、それに伴いさまざまなエンジニアの呼称が生まれています。
フルスタックエンジニアもその一つではないでしょうか。
複数の専門分野に精通しているフルスタックエンジニアに未経験でなる方法はあるのでしょうか。
フルスタックエンジニアに必要なスキルの学習方法や転職のためのポイントを紹介します。
フルスタックエンジニアに未経験で転職する方法を解説
Contents
フルスタックエンジニアになりたいが何から始めていいか分からない、という方はまず飛びこんでみましょう。
ピアノが弾けるようになりたいと思ったら、ピアノに触れてみる・弾いてみるその繰り返しで上達するのと同じです。
未経験OKの企業を探してエンジニアとして就職するところから始めてみるのです。
仕事としてプログラミングを経験し、エンジニアとしてのキャリアをスタートする方法といえます。
実際に企業で働くということは社会に貢献している、価値を提供しているなどの達成感を得るという効果もあるのです。
そのため1人で学ぶことが続かないという人にはおすすめの方法といえます。
またエンジニアという職業に興味がある人はまず何か作ってみてください。
WebサイトやWebアプリなど自分の興味のある物・簡単な物で良いから作ってみましょう。
完成した時に達成感を味わえるなら、そこから就職を考えても良いのです。
フルスタックエンジニアはさまざまな知識と経験が必要となります。
ゴールを考えながら1つ1つキャリアを積み上げていきましょう。
フルスタックエンジニアの未経験求人から仕事内容をチェック
フルスタックエンジニアの未経験求人の仕事内容とはどのようなものでしょうか。
実感が湧かない方もいると思いますので、実際の求人例を確認してみましょう。
ゲームアプリ開発
ゲームアプリ開発プロジェクトのメンバーとして、研修ののちに開発プロジェクトに携わる仕事です。
入社後、実務を取り入れた独自の研修カリキュラムでの2〜3ヶ月間の研修があります。
「Java」「Unity」「PHP」といったプログラミング言語などを、個人のレベルや習熟度にあわせて学ぶことができるのです。
研修を受けながら実務の開発業務にも携わり、実践的なスキルを磨いていきます。
研修後は実際にゲームアプリ開発の主力メンバーとして、顧客先のプロジェクトへ配属されます。
2018年3月設立の比較的新しい企業です。
「ゲームが好き」という方であれば未経験OKで、イチから研修で育てています。
IT業界にいたい方は、前職がオペレーターや運用でもかまいません。
プログラマや、システムエンジニアになりたい方の応募を待っています。
この企業に限らず比較的新しい企業でゲームアプリ開発を行なっている会社は未経験募集が多い傾向にあります。
研修制度も充実していますので「ゲームが好き」という方は応募を考えてみるといいでしょう。
新規事業開発
不動産会社が新規事業開発のため人材を募集しています。
仕事内容としてはサービス開発の上流工程になり、エンジニアチームの構築やマネージメントなども行います。
そのため必要なスキルもかなり高度なものが要求されているのです。
必須スキルとしてフロントエンド・バックエンド双方のWebアプリケーション開発や運用経験。
AWSに関する深い知識(サービスの用件定義/仕様を理解した設計が可能)などです。
エンジニアとしての幅広い技術スタックがあり柔軟性を大切にしている方を求めています。
仕事内容・必須スキルともにかなりハイレベルな内容が要求されているため、応募するにはそれなりの知識・技術・経験が必要でしょう。
一般的に新規事業開発をするために人材募集をしている会社は、高度なスキルが要求される傾向にあります。
フルスタックエンジニアはIT業界のハイスキル人材
スタック(stack)という言葉には「積み重ね」「たくさん」という意味があります。
つまりフルスタックエンジニアとは「たくさんのスキルを兼ね備えたエンジニア」ということができるでしょう。
システム開発の工程は設計・開発・運用に分けられます。
一般的にはシステム開発では、それらの工程を複数のエンジニアで分担しているのです。
一方フルスタックエンジニアは小規模なシステム開発であれば、1人で開発できるスキルを持っています。
通常であれば何人かの技術者が集まって開発を行うところを、1人で行うことができる凄腕のエンジニアなのです。
運用から改善までを1人で行うことで、企業にとって次のような利点があります。
- 時間の短縮を図ることがでる
- 人件費の削減もつながる
- 伝達ミスがなくなる
1人でする仕事なら「コミュニケーション能力は必要ないのか」というとそうではないのです。
1人で作業することばかりでなく、チームの指揮を執るプロジェクトマネージャーの仕事を担うこともあります。
またクライアントとの折衝もあるため、コミュニケーション能力も必要とされるのです。
フルスタックエンジニアは大企業にはめったにいません。
ほとんどの大企業では、分業化が完成しているので1人で開発を行う必要がないからです。
しかし少ない人数で複数のタスクをこなすことの多いスタートアップ企業では、フルスタックエンジニアは非常に重宝されるでしょう。
フルスタックエンジニアに転職するためのポイント
フルスタックエンジニアに転職するために必要なことはどのようなことでしょうか。
転職をするために必要なポイントを紹介します。
複数の専門分野に精通している
フルスタックエンジニアは一言でいえば何でも屋さんで、複数の専門分野を持つ必要があります。
しかし、最初から何でも出来なければいけないわけではありません。
徐々に複数の専門分野を持てるように成長していけばいいのです。
そのためには市場において高い需要のあるものを選ぶことが重要です。
市場ニーズの高いスキルを選んで身に付けていけば、より価値の高いフルスタックエンジニアになることができるでしょう。
多様なスキルを身につける
マルチスキルを持っているといっても、中途半端なスキルであったり需要のないスキルでは意味がありません。
業界全体を俯瞰して「今何が求められているのか」「今後どのような技術が必要とされるのか」を見抜く目を持つことが重要です。
今持っているスキルは常に磨き続けつつ、新しいスキルにも目を向けていきましょう。
エンジニア業界はスピードが速く常に流動的です。
そのような状況の中で今後を見据えたスキルを習得していくことが、フルスタックエンジニアとして活躍するために必要でしょう。
継続して技術を学び続ける
「技術を学び続ける」フルスタックエンジニアとして活躍し続けるためには、これに尽きると思います。
フルスタックエンジニアはいろいろなことをこなせる反面、どの技術も中途半端だと思われがちです。
そのため新しい技術に対しての勉強とスキルアップを欠かさないことが重要といえるでしょう。
単に1つ1つの技術を覚え込むのではなく「なぜそれらが実現できているのか」といったような大元のコアな部分を理解することです。
コアな部分を理解出来るようになると学ぶ速度はぐっと上がっていくでしょう。
未経験で転職するにはどうすればいい?
未経験でフルスタックエンジニアに転職するためにはどうすれば良いでしょうか。
今から準備しておた方が良いことを紹介します。
プログラミングスクールでスキルを増やす
何から始めて良いか分からないという方、書籍などで勉強したけど挫折してしまったという方もいると思います。
まずはプログラミングスクールの初級講座でプログラミングの楽しさを体験してみてください。
単純にプログラミングスキルを学んだだけでは、現場に出れるプログラマーにはなれません。
しかし技術を学んでから転職したい方にはおすすめで、20代の場合無料で通えるスクールも多数存在します。
第一線で活躍する現役メンターを探す
フルスタックエンジニアを目指し第一線で活躍したいと思うなら、実際に活躍している現役メンターを探すことです。
現役メンターの話を聞く、実際に仕事現場を見る、そしてそれを真似るのが一流になる一番の近道です。
メンターの技術的な面だけでなく、どのような想いで仕事をしているのかなどマインドの面で学ぶこともたくさんあるでしょう。
できればメンターは1人ではなく複数人(できれば5人ぐらい)探すと良いです。
活躍しているメンターでもそれぞれ得意分野は違います。
最も得意としている分野から学ぶことが、より自分の成長につながるのです。
勉強会に参加する
企業が若手エンジニアを対象とした勉強会を開催することがあります。
フルスタックエンジニアとして活躍中のメンバーから実際の開発事例などを聞くことができます。
アプリの作り方などを実際に体験する機会もあるようです。
スキルアップを目指すエンジニアのために、無料で誰でも参加出来るので参加してみるのも良いでしょう。
実際に現場で活躍している人の話は何よりの勉強になるのです。
未経験からフルスタックエンジニアを目指すロードマップ
一足飛びにフルスタックエンジニアになるのが難しいとするならば、今から目指すことはどのようなことでしょうか。
目指すべきロードマップを紹介します。
エンジニアとして就職
フルスタックエンジニアを目指すなら、独学のみで実現するのはまず不可能です。
そのためにまずはエンジニアとして一般企業に就職しましょう。
総従業員数があまり多くない(10名~20名程度)スタートアップ企業やベンチャー企業がいいでしょう。
作業人数が少ないためフルスタックエンジニアとして必要な一通りの経験を積むことが出来ます。
就職を1つのゴールと設定して学習していくという方法です。
個人開発でアプリケーションを制作
個人開発レベルで構わないのでアプリケーションを作ってみましょう。
何年経験を積んでも基本的な機能を作れないのでは話にならないのです。
業務の中だけではログイン機能のような基本的な実装をする機会は意外と少ないのです。
アプリケーションを個人的に作っているとさまざまなところで行き詰まり、自分の技術の不足しているポイントが見えてきます。
その不足しているポイントを埋めていくことで、どんなアプリケーションでも作れるというイメージが湧いてきます。
アプリケーションを作っていくことで、自分なりの開発パターンが作れるという良さがあるのです。
実務にとても役立つ経験になります。
必要な知識を勉強会で習得
必要な知識を習得するためには企業の勉強会に参加するのがおすすめです。
今後の自身のキャリアの可能性を探るべく情報収集をしている方向けのイベントともいえます。
開発体制、技術スタック、エンジニアのカルチャーなど、エンジニアがざっくばらんに話をしてくれます。
ほとんどの場合、無料で誰でも参加できますので参加してみましょう。
フルスタックエンジニアの未経験求人の探し方
フルスタックエンジニアの未経験求人はどのように探したら良いでしょうか。
探す方法を紹介します。
転職サイトを見る
「IT業界に特化した転職サイトはどれを選べばいいの?」と悩んでいませんか。
IT業界へ転職したいものの、転職サイトが多すぎて登録できずにいることもあるかと思います。
実際自分に合っていない転職サイトを利用していると満足な転職先に巡り会えないこともあります。
まずは自分がどんな企業でどんな仕事をしたいのかしっかり考えましょう。
自分のペースで24時間いつでも利用できるのが転職サイトの利点です。
そして転職サイトを1箇所に絞るのではなく数カ所登録しておきましょう。
その方が自分の希望する職場に出会える可能性が高くなります。
転職エージェントを活用する
転職のために何から始めていいか分からない方には転職エージェントがおすすめです。
転職エージェントは企業を紹介するだけではありません。
- 応募書類の作成
- 面接対策
- 給与交渉
- 内定取得後に現在勤めている企業との退社交渉のサポート
このようなことも可能なのです。
そのため転職回数が少ない20代の若手の女性の転職にもってこいです。
1人で悩まずまずは転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。
未経験からフルスタックエンジニアを目指すにはスキルを身につけよう
フルスタックエンジニアになるためには、どんなスキルを身につけておくとよいのでしょうか。
特に必要とされる3つのスキルについて確認しておきましょう。
プログラミングスキル
エンジニアとして最も基本的なスキルといえるのがプログラミング能力です。
エンジニアの中には普段プログラミングをしない業務もあります。
しかしフルスタックエンジニアであればプログラミング言語の知識や開発スキルは必須です。
実際にユーザーの目に触れる部分を開発するフロントエンド開発のスキル。
そしてユーザーの目に触れない裏側の部分を開発するバックエンド開発のスキルは必要です。
プログラミング言語にもさまざまな種類がありますが、全てを覚える必要はありません。
業界で使われることの多い言語を複数見つけておくと良いでしょう。
OSやミドルウェアのスキル
OSやミドルウェアを扱えるスキル・知識もフルスタックエンジニアに求められる能力のひとつです。
OSというのはWindows、Linux、iOS、Androidなどのコンピュータ管理システムそのものにあたります。
OSはコンピューターの仕組みとも言い換えられるほど、コンピューターの土台を支えているのでOSに関するスキルは必須です。
ミドルウェアは、OSの機能の強化や、OSとアプリケーションの橋渡しの役割を担うソフトウェアのことです。
ミドルウェアについても精通していることが求められますが、種類は多様になるため代表的なものについて操作出来ると良いでしょう。
クラウドサービスのスキル
近年はコスト削減や開発スピードのアップを実現するために、多くの企業がクラウドサービスを導入しています。
クラウドサービスを扱えることも、フルスタックエンジニアにとって重要なスキルです。
クラウドサービスを利用することで、ハードウェア導入に伴う初期の多額の投資や煩わしい作業を省くことが出来るのです。
クラウドサービスには多くの機能があるため、すべてを知っておくことは難しいかもしれません。
主だったクラウドサービスの知識を持ち、クライアントのニーズ合わせたクラウドサービスを選定するスキルが必要になります。
転職相談は転職エージェントを活用しよう
転職をしようと思った時「何から手をつけていいか分からない」というこはありませんか。
特にフルスタックエンジニアの場合、企業によって定義や業務の範囲がことなります。
そのため自分が対応可能な業務なのかどうか見極めるのが難しいことがあるのです。
そんな時おすすめなのが転職エージェントを活用することです。
転職エージェントはあなたのスキルを的確に把握し、より適した企業を紹介します。
そして自分ひとりでは解決できない疑問や悩みを解決してくれるのです。
転職活動はズルズル続けていると精神的に消耗し、希望していない企業で妥協したりモチベーションが下がったりします。
転職活動は短期で終わらせるように意識することが大切です。
転職エージェントを活用することで短期での転職成功の確率が高くなるでしょう。
まとめ
今回はフルスタックエンジニアの仕事について解説しました。
マルチタスクを必要とする職業であるフルスタックエンジニアには、簡単になることはできません。
まずは自分の得意な分野や興味のある分野からスキルを磨いていきましょう。
少しずつ知識やスキルを広げていくことでフルスタックエンジニアになることができます。
学び続けることコツコツとスキルアップすることで転職を成功させましょう。