日本の高度経済を支えてきた機械系エンジニアが今また注目されています。
機械の設計・制作・組み立てに携わるエンジニアが今度はインターネットの専門家と組んで新しいチャレンジをしています。
時代と共に変化する魅力ある機械系エンジニアの仕事を紹介しましょう。
気になる機械エンジニアの仕事内容・年収・需要・将来性などについても解説します。
機械系エンジニアの仕事内容をご紹介
Contents
機械系エンジニアの仕事といえば、設置する機械・設備機器に対する提案・計画・設計・製作などがあげられます。
他には産業用ロボット・家電・IT系・自動車などの機械類に関わる分野なら多岐にわたります。
また、設置した機械の保守・点検・運用も主な仕事です。
特に工場などに設置する機械はカスタマイズしたものが多く、オーダーメイドになるものも少なくありません。
そのため保守・点検・運用もユニークなものになります。
一方、大手機械メーカーはコスト面で海外進出を推し進め、国内では人材不足が続いています。
そのため専門性が高い機械系エンジニアが育っていないのが状況です。
企画の立案
企画の立案ではクライアントの要望や課題に対し、問題を解決するためにどのような機械を作るかを考えコンセプトデザインを決定します。
例えば消費者向けの機械ならマーケティング・商品企画・開発を担当する部署と協力して消費者ニーズを分析します。
また、競合他社の類似製品を分析し、特許や意匠などの情報を調査するのも重要な仕事です。
企画の立案の段階では、企画営業・デザイナー・開発コンサルタントがメインになって工程を遂行します。
機械の設計
企画が決定すると、構想工程に入り機械系エンジニアは、機械の部材・素材・技術などを選定していきます。
デッサンして具体的な構造に落とし込むため3D画像を駆使して、より立体的なイメージを作り上げるのです。
構想設計でできたイメージをもとに次は基礎設計の段階に入ります。
CADを使用して製図の作成・部品の寸法・接続部の設計を決めます。
また、使用される部材などを選定して、求められる強度に耐えられるか強度計算も行わなければなりません。
ここまでの工程をしっかり行うことで手戻りのリスクが抑えられるのです。
基本設計が完成し承認されるとデザインレビューを行います。
詳細設計では、生産時の品質と耐久性を保持するため構造と部品の寸法を決定します。
試作品の作成
最終的な設計が固まれば試作見積もりを出して、外部に試作品の作成を委託するのか社内で作成するのかを決めます。
外部委託する場合は委託先メーカーを選定する必要があるので打ち合わせなどもあります。
委託先メーカーを選ぶポイントはバックアッププランの知識を持ち、緊急時に直ぐに対応できるメーカーを選ぶことが重要です。
できあがった試作品の試験が問題なく終われば量産体制に入ります。
機械系エンジニアに求められるスキル
機械系エンジニアといっても扱う機械や業種によって内容が大きく異なり、専門職でもあるためスキルが必須となってきます。
プロジェクトを担うこともある機械系エンジニアにはどのようなスキルが必要なのか見ていきましょう。
機械の専門知識
機械を作るエンジニアにとって機械の専門知識と経験はなくてはならないもので大きな武器になります。
知識といっても幅広く、法規制に関するものも知っておかなければなりません。
ようやく作成した機械が規制に反するものだったということになりかねないからです。
そして、機械系エンジニアにとって経験も大切なものです。
知識は勉強すれば習得できますが、経験はそうはいきません。
長年積み重ねてきた経験は貴重であり、そこにはプロとしてのプライドもあります。
ソフトウェアに関する知識
最近は機械もインターネットとつなぐIoT化が進んでいるため機械系エンジニアもソフトウェアの知識が必要です。
どのようなソフトウェアを組み込んだら必要な処理が高速でできるか検証したりすることもあります。
またインターネットにつながることでセキュリティの問題も出てきますのでセキュリティに関する専門知識も必要になるでしょう。
技術力
日本の技術力は昔から高く評価されてきました。
しかし、安い労働力が提供できる中国・精密機器製造に強い韓国・台湾が日本を脅かす存在になっています。
こうした中でエンジニアの技術力はさらに精度の高いものが求められています。
そのため高い知識と技術力がなければ機械系エンジニアとして働くのは難しいかもしれません。
機械系エンジニアに向いている人の特徴は?
機械系エンジニアに向いている人の特徴について解説します。
やはり機械を触ることが好きな人は機械系エンジニアに向いるのではないでしょうか。
また機械を組み立て・分解したりして構造を見るのが好きな人も機械系エンジニアに向いているといえます。
もう少し機械系エンジニアに向いている人の特徴を詳しく見ていきましょう。
細かい作業が得意な人
手先が器用で細かい作業が好きな女性なら機械系エンジニアの資質があるかもしれません。
機械系エンジニアの仕事は設計をやり直したり、試作品を作り直したりする作業が当たり前のようにあります。
しかも中にはミリ単位で修正する作業もあります。
そうした緻密な作業が苦にならない人が向いているでしょう。
期限付きで作成を迫られる案件もあるので残業も多くなります。
家庭のある女性の場合は柔軟な対応が必要かもしれません。
さらに機械系エンジニアには責任感と忍耐力が求められます。
自由な発想力がある人
機械系エンジニアには自由に発想したり想像したりする力も欠かせません。
CADを駆使して製図を設計しますが、その前に頭でイメージして配置やデザインを考えたりする必要があります。
また、ここを修正したらどういう影響が出るのかといった想像力も機械系エンジニアには欠かせません。
使用する素材によっても製品のイメージは異なるため柔軟な発想も必要になります。
固定観念で仕事はできないといえるでしょう。
新技術を身に付けたい人
新しい技術が開発されそれにともない機械もどんどん進歩を遂げています。
AIや高度なソフトウェアを搭載した機械も増加し、機械系エンジニアは常に新しい技術を身に付けたい人にはおすすめの業種といえます。
また、他社との競争もありますから、そうした企業が製造した機械や技術にも関心を持って研究する探究心も必要です。
機械系エンジニアの平均年収
気になる機械系エンジニアの平均年収ですが、およそ476万円となっていて平均的な日本人の年収と比べると高めです。
また、大手の自動車メーカーでは機械系エンジニアの管理職になると1,000万円を越えることもあるようです。
機械系エンジニアの年収アップにはキャリアの積み重ね・スキルの向上がポイントになります。
どのような機械系エンジニアになりたいのか、知識とスキルを活かして将来どういう立場を目指すか明確にしましょう。
目標を目指して精進していけば年収は増えるでしょう。
機械系エンジニアの仕事のやりがい
機械系エンジニアのやりがいは、やはり製品を作る重要な役目を果たした時の達成感ではないでしょうか。
製品を作り上げる工程には厳しさもあります。
しかし、あらゆる可能性を考え試行錯誤して正式に製品としてでき上がった瞬間の喜びは何ものにも代えがたいでしょう。
また、苦労をともにしてきたチームと喜びを分かち合える満足感は連帯意識を高めて絆を深くしてくれます。
こうして得た経験や知識は将来の自分にとって大切なキャリアパスになっていくのです。
積み重ねていく喜びこそ機械系エンジニアのやりがいでもあるのです。
機械系エンジニアの仕事のやりがいはこの2 つでしょう。
- プロジェクトメンバーになれば自分の存在をアピールできる
- プロジェクトメンバーになれば幅広い知識が身に付く
製品開発の重要な役割を担う
知識や経験が深まれば大勢で製品開発に携わっても重要な役割を担えます。
そして自分が設計した製品が世の中に流通し、役に立っているのを見ると口では表せない喜びを感じるでしょう。
プロジェクトの中で重要な役割を果たすことは自分のキャリアアップにつながり、転職する時に役に立つのです。
専門技術を習得できる
高度な技術力を要するプロジェクトであればあるほど専門的な技術が習得でき、自分の成長も実感できます。
専門技術を習得することは将来転職したり、独立したりする時に大きな武器になります。
機械系エンジニアの業界のキャリアパス
機械系エンジニアのキャリアパスは現場での仕事を着実に成功させ、経験を積むことです。
そのためには積極的にプロジェクトに参加して実績を上げることが何よりも重要になります。
さらに希少価値の高い資格を取得したりTOEICで高得点を出したりもおすすめです。
国内で機械を製造して海外に輸出こともあるため海外にいるクライアントと英語で交渉ができるエンジニアは貴重な存在です。
資格やTOEICで昇進が左右する会社もあるのでキャリアパスとして是非挑戦しましょう。
転職を考えるなら具体的にどのようなプロジェクトに、どのような立場で参加したかが重要になってきます。
機械系エンジニアの業界の需要や将来性は?
IoTが発展している現在、精密な機械を設計できるエンジニアは貴重で需要も高まっています。
自動車・家電・医療機器などありとあらゆるものがインターネットにつながる時代です。
国内の医療機器関連は少子高齢化のため需要が伸びており、需要に追いつかない状態が続くとみられています。
企業の海外進出で機械系エンジニアの人材不足が続き、今後市場が拡大することから需要がますます高まるでしょう。
また、AIの登場でその活躍の場が広がり、これまで設計に携わってきたエンジニアも営業スキルが求められるかもしれません。
これからは設計や製作だけでなく、クライアントや社内での調整・コミュニケーション・交渉などの能力を磨くことも大切です。
機械系エンジニアを目指す方法
機械系エンジニアの仕事は専門性が高く、大学・大学院の理工系や機械工学部出身者などが志望するのが一般的です。
転職希望者の場合はエンジニア経験者がほとんどでしたが、昨今は人材不足もあり未経験者でも採用する企業も増加しています。
しかし、いくら未経験者であっても機械に触れることが好き・物を作るのが好きなどがなければハードルは高い業界といえるでしょう。
その上で一定の知識と資格を取得するなど企業側にアピールできるものを準備しましょう。
機械やソフトに関する知識の習得
最近では未経験者でも機械やソフトに関する知識を習得するためのオンラインでの学習講座があります。
そうした講座を積極的に利用して知識を習得しましょう。
余裕があれば学校に通ったり、セミナーに参加したりするのもおすすめです。
同じ目的を持った仲間がいることは大きな刺激になり、情報交換もできるので、業界の耳寄りな情報も入手できる可能性があります。
資格の獲得
未経験者や機械系エンジニアとしてキャリアが浅い人も資格を取得することは転職する際には大きな武器になります。
おすすめの資格は、「技術士」で科学技術に関する技術的専門知識と応用能力及び豊富な実務経験があります。
「技術士」は高い技術者倫理を備えた技術者識を認定する資格です。
一次試験と二次試験がありますが未経験者なら一次試験がおすすめです。
「CAD利用技術者」はCADを使った製図・トレースの技術力を認定する資格試験でレベルは「基礎」・「2級」・「1級」があります。
未経験者には「基礎」がおすすめですが「2級」を目指すのもいいでしょう。
「機械設計技術者」は安全で効率の良い機械を設計するための機械設計技術者の認定試験です。
1級から3級まであり未経験者には3級がおすすめです。
転職の悩みは転職エージェントに相談しよう
即戦力になる機械系エンジニアは市場でも非常に人気が高い職種です。
求められるスキルは細分化が進み、いかに求職者とマッチングさせるかが重要になっています。
一方、未経験者でも一定の知識とやる気があれば採用する企業もあり、将来的に有望な業界です。
ただ、転職を希望する人は多く、経験を積んでいると優位になってしまいます。
そこで転職エージェントに相談してアドバイスをもらいましょう。
転職エージェントは多くの求職者を転職させてきたプロです。
転職希望者の適性を分析して数ある求人から最適な企業を紹介してくれます。
転職活動は長引くと過度なストレスにもなりがちですから効率的に進めたいものです。
また、転職エージェントは自分では気づかない強みを見つけ出してくれたりもする心強い味方です。
まとめ
女性でも機械系エンジニアを希望する人は増えています。
しかし、自分のスキル・知識・経験とマッチングする企業を探し出すのは至難の業といえるでしょう。
たとえ目ぼしい企業が見つかってもマッチングするかどうか判断は難しいものです。
もしミスマッチングだったら最悪な状態になる可能性だってあります。
過去に機械系エンジニアへの転職実績が豊富にある転職エージェントに相談して希望する機械系エンジニアの道を歩みましょう。